会長挨拶




大学等環境安全協議会 会長

石橋 康弘



 大学等環境安全協議会のホームページをご覧いただき、誠にありがとうございます。
 本協議会は、大学・研究機関等における環境保全、安全衛生、化学物質管理、廃棄物・排水管理、防災およびリスクマネジメントに関する実務的課題について、組織や分野を越えて知見を共有し、現場に根ざした解決策を探求することを目的として活動してまいりました。
 近年、大学等を取り巻く環境安全分野は、かつてない転換期を迎えています。カーボンニュートラルの推進、SDGsやESGを踏まえた大学経営への要請、化学物質規制や労働安全衛生関連法令の高度化・複雑化、さらには研究活動の高度化・国際化に伴う新たなリスクの顕在化など、大学等には社会的責任を強く意識した環境安全管理体制の構築と説明責任が求められています。環境安全は、もはや個別部署の業務にとどまらず、政策動向と密接に連動する大学運営の基盤として位置づけられる時代となりました。
 このような状況の中、本協議会は、国の政策動向や制度改正を的確に捉えつつ、現場の実務に直結する情報や知見を共有する「実務者のための連携の場」としての役割を一層強化してまいります。
  総会・研修発表会、技術分科会及び実務者連絡会の活動を通じて、法令対応や監査・点検への対応、事故・トラブルの未然防止、環境安全管理体制の構築・改善、人材育成に関する実践的な事例や課題を共有し、各機関が直面する共通課題の解決に貢献していきたいと考えています。また、大学等における環境安全の取組を社会に対して積極的に発信し、行政機関や関係団体との連携を深めることで、大学が果たすべき公共的役割と社会的信頼の向上にも寄与してまいります。
 研究・教育活動を支える基盤としての環境安全を単なる法令遵守にとどめず、持続可能な社会の実現に貢献する大学の重要な責務として位置づけていくことが、本協議会の使命であると考えています。
 今後とも、会員の皆様をはじめ、関係機関・関係者の皆様との連携を深めながら、大学等における環境安全の発展のための活動に取り組んでまいります。引き続き、本協議会の活動へのご理解とご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。


                                  (熊本県立大学 環境共生学部 教授)